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中村 邦夫

二年間の討議の過程は、私自身、大変勉強させていただき、また、考えさせられる機会となりました。何よりも「こころを育む」ということが極めて重く深いテーマであることを改めて感じました。しかも、二年前にフォーラムがスタートした時にもまして今は、残忍な事件、いじめ、虐待、さまざまな不祥事など、日本人の心の荒廃を感じざるを得ない出来事が連日のように報じられています。私たちに、何かできることはないのだろうかという焦りすら感じる昨今です。

  中村 邦夫  
     
 

それぞれの分野で最高権威の先生方を中心に真剣な議論を経て結晶された提言は、「家庭」「学校」「地域」「企業」という、いずれも私たちの誰もが関わる場で一人ひとりに行動を促すものです。より多くの人びとがこの提言を目にし、それぞれの立場で自らのこととして具体的に実践していっていただきたいと心から思います。

企業に集う一人ひとりは同時に生活者です。働くことで社会に貢献するとともに生活者として、健全な家庭づくり、より良き社会づくりに貢献していくという視点、行動が「こころを育む」鍵を握ると考えています。そのために、企業としては、「働くこと」と「生活すること」のバランスがとれるような仕組みづくりに挑戦し続けてまいります。さらに、本業で貢献することに加えて、「企業市民」として、「企業の良心」の発露の仕方を考え、具体的な企業行動につなげてまいります。

この種の提言は、ややもすると一過性のものに終わってしまいがちです。運動として、繰り返し、さまざまな場面で発信と実践が継続される必要があります。私も、企業人また一個人として、提言内容にしたがって、できることからぜひとも実践していく決意を強くしております。